ブルガリアの陶芸の起源は、7世紀末の建国の頃にさかのぼります。
トラキアや古代スラブ、ビザンチン、中央アジアなどの陶器の影響を受け、
数多くの伝統文化を融合しながら、独自の発達を遂げてきました。
とくにブルガリアを東西に走るバルカン山脈中央部の
トロヤン地方に伝わるトロヤン陶器は、
地元で採れる粘土の質の良さや特徴のある伝統的な模様や色、
バラエティに富んだ形のもつ温もりのある美しさから、
ブルガリアの代表的な陶器として注目されています。
熟練工によってひとつひとつ手作業で作られているトロヤン陶器には、
同じものがふたつとありません。
絵の具を落とし、串で伸ばして描かれる独特のマーブル模様は
ブルガリア語で「トロヤンスカ、カプカ=トロヤンの雫」と呼ばれ、
19世紀の著名な画家が描いた教会の壁画が基礎となって
受け継がれてきたといわれています。
トロヤン陶器ができるまで
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山から採ってきた良質の土(粘土)を、2つのロールの間で細かくします(クラッシング=砕く作業です)。次にホッパーに入れて再度練り、空気を抜いてバキュームで出します(練る&空気抜きの作業です)。
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ろくろでひとつひとつ丁寧に形を作ります。
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形ができたら、ターンテーブルの上で柄付けです。 テーブルを回しながら、最初にベースの色を全体に、次に他の色を何色か入れていきます。
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そして例えばプレートであれば、細いカギのような筆を使って上下にのばしたり・・・
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大きめのスポイトでマーブル模様を入れていったりします。
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柄付けが終わった段階で20日間乾燥させます。充分に乾いたら、760℃で1回目の釜入れ(焼き)です。この時、土の状態によって、最大15%くらい大きさが収縮することがあります。同じアイテムでも大きさに差異がある理由のひとつです。
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テラコッタ(素焼き)が焼き上がったら、入念に粘度をチェックした釉薬に浸けます。
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それからローラーのスポンジで底辺のクリーニングをして、いよいよ2回目の釜入れです。
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2回目の焼きの温度は980℃で、8時間かけてその温度まで上げていきます。 40分間980℃を保ち、そこから2日間かけて冷まします。
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2日かけて150℃まで温度が下がった段階で釜を開けると、色鮮やかなトロヤン陶器の出来上がりです。
トロヤン陶器の柄付けをしている動画です。
トロヤン陶器の安全性
弊社取り扱いのトロヤン陶器は、 厚生労働省管轄の「(財)東京顕微鏡院、 食と環境の科学センター」において、 食品検査(鉛、カドミウムの溶出試験)を通して 正規輸入されておりますので、 安心して食器としてお使いいただけます。